精神病院と呼ばれるところや、精神科クリニックで長く働いてきました。

そして最近、はじめて総合病院という場所で診療にあたる経験を積んでいます。

精神科クリニックを開業したときにも、ごく普通の主婦の方や会社員の方が診察に見えました。ごく普通の方たちではあっても、一応はご自分で精神が病んでいると考えたあげく、精神科クリニックの門をたたいた方たちです。ですから 話が早い。つまり どこが悪いかの話にすぐ移ることができます。それでも 当時(平成3年)、そういう軽い人を診療するということはかなり革新的な医療行為でした。

ところが今は、まさか自分の心に問題があるとは思わず、体の病気だと思って内科などに来た人たちが、精神科を紹介されてきます。

そういう人たちは、重いうつ病の方も混じってはいますが、たいていは 軽くて、誰でもが足をとられても不思議はないような、ちょっとした精神的異常状態です。

そんな方たちには、どんな診療行為をしたらいいか。それが今 わたしの課題です。

わたしがずっと心がけていることは、「専門家にまかせなさい。薬をのみなさい」というような態度ではなく、病気の状態がどこから生まれたか 自分で考えるように しむけていくこと。

自分の病気の状態を自分で認識するようになったら、では つぎに どんな生活をこころがけたり、どんな考え方でやっていったらいいか 自分で考えていけるようにすること。

一日50人診ています、70人診ています、と 数を自慢する医師にはできないこと。

わたしは 本当に贅沢なくらい 少ない患者数しか診ていないので、せめてわたしにしか出来ないことを根気よくしていきたい。

そのために、それを書くために このブログを始めたのですが、なかなか 文章にするってむつかしいですね。

「わたしにまかせなさい」というようなこころの専門家でなく、自分の精神衛生を自分で考えることのできる人を ひとりでも増やしたい。

こころの問題はみな、自分の生き方の問題でもあるから 人まかせにしないで 自分で考えていけるはず。

統合失調症のような重い病気でも、その気になれば出来ます。

これからは認知症も増えるでしょうが、その気になれば 自分でケアできます。

毎日の診療行為では、そんなお手伝いができる人になれるよう心がけています。

でも、わたしの診療を受けない人にも、そんなことを伝えていきたい。

 生涯の間に、精神的疾患にかかる率は 4人にひとりと言われています。ということは、家族が4人いたら誰かひとりが なんらかの形で精神科の世話になります。親兄弟、自分たち夫婦、子供、孫をふくめたら、だいたいひとりかふたりは一時的にしろ、精神的な問題を抱えます。そんな時代です。

わたしのブログは、そんな医師を目ざす私の レッスンの場。ここを訪れてくださる方は、そういうわたしの意図を汲んでいただけるとうれしいです。

This entry was posted on 水曜日, 4月 23rd, 2008 at 21:31:30 and is filed under コラム. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.

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