8月 28th, 2008

自我について、その続きです。

 自我とは「自分の行為を見ている、もうひとりの自分」だと話しました。

でも、こんな記載も見つけました。

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自我とは、人が適応的に生きていく上に必要なもろもろの精神機能をになった中枢機関のことである。すなわち

外界を近くしてさまざまな状況を適切に判断し(現実機能)、対人関係をうまく調整して適応をはかり(適応機能)、

内部に高まる欲求や感情を巧みに統制し、心理的な危機におちいることから自分を守り(防衛機能)、自律的に

生活しようとする(自律機能)などなどの機能をになう。つまり、外界から自分を守り、うまく適応しながらも、

自律的に生きる力。

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わたしはもっとわかりやすく、こんな風に説明しています。

「押したり引いたりを上手にやりながら対人関係をやっていく力だ」と。この説明は ある心理士の方が、とてもわかり

やすいとほめてくれました。

押すだけだったら「頑固おやじ」を通せばいいだけですから、たやすいです。引くだけだったら、誰も文句をいいません

からこれも波風立たずたやすいです。でも 人間、何が一番むつかしいかっていうと、「押したり引いたりする能力」

なんだと思うのです。

中間管理職が一番むづかしいと言われるのもこのせいです。また また人間関係の中で一番むづかしいのが家族関係、

それも夫婦関係です。「むつかしくなんかないよ」って言う人がいたら、多分 それを言った相手の夫(または妻)が

相当我慢していると思って間違いありません。だって誰にでも「自分」というものがあって、たとえ夫婦といえども

違う人間ですから あっちを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たず、ということが起きることは

あたり前のこと、自然現象のようなもの。だからあるときは主張し、あるときは我慢しなければいけないのです。押し時、

引き時を間違えると、喧嘩になります。我慢のしっぱなしの夫(妻)は多いと思いますが、そんな場合は、「夫婦関係」

をあきらめて子供や友達にはけ口を求めているでしょう。我慢していることさえ意識していない夫(妻)もいると思う。

その場合は、まあ 無意識に避けているのですね。

喧嘩や意見の食い違いがおきても、またお互いに調整して仲良くやっていけるんだ、ということを親から学ぶことに

 よって、子供は自我を形成していくのですから、喧嘩しない夫婦の子供の自我が育っていないということがあります。

また 成績が悪くてもやんちゃ坊主だった子供のほうが、社会で大成したりします。それはヤンチャをすると、頭を

おさえられるでしょう? それで加減というものを覚えていくのです。対人関係が上手になります。なんといっても

どんな能力より、対人関係をうまくやっていける能力が一番、世間で成功しやすいですから。

おとなしいだけの子供や、いい子は、しかられることがありませんから 加減というものがわかっていません。

だからちょっと押して、しかられて、それだけで挫折してしまいます。

こわさを知らないうちにヤンチャを。はずかしさを知らないうちに、自己主張をさせておかないといけないのは

そのためなんです。

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そして、自我を形成し、鍛えるために必要なことはただひとつ、自分を見ている、もうひとりの自分、というものが

ちゃんと機能しているかどうかなんです。

患者さんには主治医。

子供にはお母さん(お父さん)

そして わたしやあなたに必要なのは、他ならぬ 自分自身なのです。

自分が自分の主治医。

なあんだと思うかもしれません。でも コロンブスの卵。これはわかってしまえばなあんだ、ですが 使えるように

なったら、まさに鬼に金棒。

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立派な方が、自我が強いとはかぎりません。ヘンなプライドが邪魔をして、自分の弱みを正視できない場合は

賢いはずの方や立派な方に案外多いようです。

朝青龍が、一時、批判に耐えられなくなって解離性障害という、もっともらしい病名がつきました。あの場合も

批判に弱いというか、突然批判された自分を受けいれ難かったので、貝のようになってしまったのでしょう。

雅子妃殿下のことは、週刊誌で書かれている以上のことを知りませんが、やはり、自我が弱っていることや

葛藤が関係していると思います。

批判や葛藤に耐える力こそ、自我の強さです。

環境のせいにすれば、何事も自分のせいじゃないのですから楽です。でも、誰も拉致されたんじゃない。

本当に拉致されて、あんな苦しい人生を強いられた人でさえ、生き抜いてこられたではありませんか。

自我の強さと、その人の地位、能力、知能はほとんど関係ありません。

わたしの患者さんでも、自分を見つめる能力を養うことに成功している人がいくらでもおられます。

でも一方で、立派なはずの方が、ちょっと批判めいたことを言われただけで去っていかれます。

自分が自分の主治医になって、自分のこころを見つめる、大切に扱ったり、弱みを受けとめてあげる。

そんな方法のいくつかをお話していきたいと思います。